残業のテロル

人から貰った個体でつくった構築を披露するブログ

【'17学祭使用構築】コケコライチュウ

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「カプ・コケコ+アローラライチュウ+メガ」を基本の軸とし、エレキフィールド下のアロライZライチュウをいかに通していくかをコンセプトに組んだ。

そもそもアローラライチュウというポケモンの性能はエレキフィールドとZ技に依存しており、そのためこのポケモンを通すためには多くの障害がついて回る。特にアロライZについてはこのポケモンの生命線とも言ってよいレベルであり、これをタイプや特性などによって防がれると、本来の耐久と火力の低さゆえにライチュウ自身がいとも簡単に処理されてしまう。したがって高い素早さによって上から強力な性能を持つZ技を押しつけるというシチュエーションは、このポケモンの場合かなり限定的である。

しかし一方でエレキフィールド下における素早さとアロライZの性能は、高い素早さから全抜きを狙ってくるようなアタッカー全般やバトン展開に対して非常に有効であり、環境に多いボーマンダバシャーモなどに対しても相手の素早さ上昇のさらに上から高火力一致技と確定麻痺を押しつけることができるのは他にはない武器といえる。そしてこの最大の武器を最大限に活かせるのは、相手の高耐久のポケモンが消耗した試合中盤以降であると考えた。

このような特徴を踏まえ、この構築では主な勝ち筋として試合序盤でメガ枠の壁展開によってライチュウのストッパーとなるポケモンを誘ってあらかじめ潰しておき、試合中盤~終盤に再度フィールドを展開してライチュウで詰めるという立ち回りを目指した。ライチュウを通すためには数的有利をとることが非常に重要であり、メガ枠はむやみに切らずに残しておくことで、相手のラスト1体がアロライZで落ちなかった場合でも麻痺の追加効果のおかげで裏のメガ枠が上から縛る状況をつくることができる。

また、メガ枠に対して投げられる数値受けを攻略する際に強引にライチュウを後投げしアロライZを消費する状況を防ぐため、メガ枠のポケモンで数値受けを突破できるよう技や配分の調整を行い、基本選出を行える範囲を可能な限り拡張できるよう工夫した。そして残り2枠を使って構築単位で不利なポケモンや並びに対してメタを張り、一つの形としてまとめた。

 

以下、個別解説。

【個別解説】
◆カプ・コケコ@脱出ボタン

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臆病 159(108)-*-119(108)-127(36)-96(60)-192(196)
草結び リフレクター 光の壁 挑発

・無振りカバルドン地震を確定耐え
・A200マンムー地震をリフレクター込みで59.1%~70.4%
・C182カプ・テテフのサイコフィールド下サイコキネシスを最高乱数以外耐える
・最速ゲッコウガ抜き
・残りC

この構築における先発ないしクッションとしての性能を求めた型と配分。

壁を盾にサイクルを回したり積み展開を行いたいため両壁は確定。残り2枠にはカバルドンマンムーに対する打点となる草結びと、相手の展開を阻害するための挑発を採用している。草結びの枠は自然の怒りも候補ではあったが、自然の怒りと壁を見せた時点でコケコの攻撃技を切った立ち回りをされることが多かったことや、相手の型を判別しやすくできたり外しのリスクがないという草結びのメリットを評価し、今回は採用を見送った。

素早さのラインはゲッコウガを抜けていれば必要な水準を満たしていると判断し、残りのほとんどを耐久に回して生存確率を上げることを重視した。無振りカバルドン地震を耐えるという点を利用してカバルドン入りに対して先発させる際は相手の手持ちに鋼がいなければ挑発から入りパルシェンを展開してイージーウィンを狙い、鋼がいれば草結びから入りダメージ量を確認してバシャーモボーマンダを展開する。

また、初手にコケコではなくボーマンダやガルーラを置いて場を荒らした後に相手が落としにくるタイミングでコケコに引きフィールドを展開、上からのアロライZと麻痺の追加効果によって仮に落とせなくても残したメガで詰めるという動きも相手に想定されにくく非常に強力だった。


ライチュウ@アロライZ

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臆病 135-*-80(76)-138(180)-105-178(252)
10万ボルト サイコショック めざ氷 悪巧み

・A204カイリューの+1神速を最高乱数以外耐え
サイコショックで無振りウツロイドが確定
エレキフィールドライトニングサーフライドで無振りメガメタグロスが確定
・最速

基本的には終盤で死に出しし、エレキフィールド下の素早さとアロライZによって詰めを行う。素の素早さも切れないと判断したため最速での採用。エレキフィールド下においては素早さが過剰な感もあるが、相手が耐久振り個体であれば2積み以上を許してしまってもリカバリーが利くケースも多く無駄に感じる場面は少なかった。火力は必要なラインを確保し残りをBに回すことで鬼門となる先制技への耐性を上げた。

技についてはZ技のベースとなる10万ボルトとめざ氷、火力が足りないため悪巧みまでが確定。エスパー技についてはウツロイドやラッキーに対する打点となるサイコショックを採用した。サイコキネシスより威力の面では劣るものの、選出できる範囲が広がり扱いやすくなった。

一方、耐久面はかなり脆いため選出する際は同時選出しているメガ枠などで相手に切り返されないよう数的有利をとれるよう立ち回ることが重要であり、地面+電気半減 or ミミッキュなどの並びに対しては、おとなしくライチュウ以外を選出するのが無難であると感じた。


ボーマンダ@メガストーン

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陽気 191(164)-171(124)-101(4)-*-102(12)-160(204) → 191-181-151-*-112-182
捨て身タックル 毒々 身代わり 羽休め

・A197ランドロスの岩石封じを威嚇込みで身代わりが最高乱数以外耐える
・捨て身タックルで無振りミミッキュが確定
・最速ジャローダ抜き
・ダウンロード対策でB<D

コケコとの相性補完が良好な1つ目のメガ枠。ガルーラ+数値受けのような並びに対して選出し、コケコの壁や毒を絡めてサイクル戦を有利に進めていくための技構成と配分を採用。捨て身タックルの枠は恩返しも候補ではあったが上から動けることが多いため、瞬間火力に期待できる捨て身タックルを採用した。また、ミミッキュやテテフなどを迅速に処理できるという点も大きい。

相性補完という点ではメガギャラドスに軍配が上がるとは思うが、ギャラドスでは相手の数値受けに対して手も足も出ないうえに素早さが低く舞っても相手のスカーフ持ちなどに簡単に切り返されてしまうため不採用。また、初手のコケコで壁展開を行う場合に相手のバシャーモメタグロスの雷パンチをエレキフィールドによって逆に強化してしまうというデメリットもかなり痛い。

この構築はメガ枠以外はどのポケモンも耐久や耐性に不安が残るため、ボーマンダを選出した際はなるべく切らずに温存し相手の技の一貫をつくらないよう立ち回る必要がある。


◆ガルーラ@メガストーン

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意地 211(244)-158(228)-101(4)-*-102(12)-113(20) → 211-191-121-*-122-123
秘密の力 炎のパンチ グロウパンチ シャドークロー

・C147カプ・コケコのエレキフィールド下Z10万ボルトを確定耐え
・準速キノガッサ抜き
・ダウンロード対策でB<D

2つ目のメガ枠であり、マンダの刺さりが悪いときや低速高耐久が多い構築に対して選出する。壁展開の性質上、被弾が多くなるため耐久振りとし一致技は非接触の秘密の力を採用した。ゴツゴツメットに触れる機会が減るため場持ちが良くなるほか、麻痺の追加効果もあるため不利な場面でもワンチャンスを狙うことができるが、威力が足りず相手を落としきれない場面もあるため、ここは恩返しとの選択。シャドークローはミミッキュの被害を最小限に抑えながら攻略するために重要な技。

トリルエース+ポリゴン2ミミッキュのような構築に対しては確定で選出し、壁下でポリゴン2に対して繰り出してメガせずに一度グロウパンチを選択、裏からミミッキュが出てくれば耐久振りの可能性が高いのでそのまま突破できる。

素早さが低いため雑に選出すると上からのZ技などで崩される可能性があり、強力ではあるが選出する構築はそれなりに選ぶ必要があった。


バシャーモ@命の珠

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無邪気 155-143(28)-90-162(252)-81-141(228)
火炎放射 めざ氷 馬鹿力 守る

・火炎放射でH振りメガクチートが確定
・火炎放射で無振りメガメタグロスが確定
・2加速で砂下の準速ドリュウズ抜き
・残りA

天候やトリル展開、カバルドン+鋼のような並びに対して選出する。ここまでのポケモンで後手に回ってしまう並びに対して、最低限の汎用性を維持しつつメタを張ることができる貴重なポケモン

砂下のドリュウズが非常に厳しい構築なので素早さに補正をかけて準速ドリュウズであれば2加速で抜けるラインまで振り、火炎放射でクチートメタグロスを確定で落とせるように珠を持たせた。

火炎放射は大文字、馬鹿力は飛び膝蹴りとの選択だとは思うが、この構築において技外しは負けに直結するという点と上で述べた以外で1発で落とせないと困るポケモンが特にいないという点から、命中が安定している方を採用した。

 

パルシェン@気合の襷

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意地 125-161(252)-201(4)-*-65-122(252)
つららばり ロックブラスト 氷の礫 殻を破る

・AS極振り

ここまででまだ相手のボーマンダや地面タイプが非常に重いため、それらに対して強力な切り返しが行える襷パルシェンを採用。もちろんミミッキュに対しても強い。保険の意味合いでの採用ではあったが前述のコケコと組み合わせることで多くの試合でイージーウィンを手にすることができた。

また、この構築自体がカプ・テテフを強烈に誘うという特徴を逆手にとり、サイコフィールド下で襷パルシェンを死に出しし、襷を盾に強引に破って全抜きを図るという立ち回りをすることもあった。

 

【主な結果】
紅華祭(工科大)優勝
みやこ祭(首都大)ベスト8
白門祭(中央大)ベスト4


【総括】
比較的長い間コケコライチュウという並びについて考えていたが、構築的にも戦績的にも満足のいく結果になって素直に嬉しい。シングルのコケコライチュウは一線級の並びではないが、他にはない長所もあるため非常に開拓の余地があって楽しかった。

最後に、各大学の運営の皆さん、参加された皆さんはお疲れ様でした。次はウルトラサンムーンでお会いしましょう。

 

【参考】mat-poke.hatenablog.com